膝蓋骨脱臼と鍼灸、マッサージ治療

 

まずは、膝蓋骨脱臼が起こるメカニズムとして

膝蓋骨の側面から直接衝撃が加わったり

膝が軽度屈曲(軽く曲がって)外反(外に体重が乗った状態)で下腿(膝から下)が大腿骨(太ももの骨)が過度に外旋(外に捻られると)してしまうと膝蓋骨が外側に押し出されます。

その結果、膝蓋骨を外にはずれないように緊張している

内側膝蓋大腿靭帯などが断裂し、膝蓋骨が外側に脱臼します。

膝の動きとしては、膝を伸ばした状態から曲げた時に膝蓋骨には垂直外側に牽引(外側広筋)が強く働く為、膝が外側に脱臼しやすくなるのです。

この時、歯止めとなる内側広筋の筋力低下や外側広筋の筋肉が強すぎたり外側関節包が硬い事も要因となります。

膝蓋骨脱臼は

ジャンプの着地などの時に太ももの筋肉が強く収縮して外れることが多く、外れた時には強い痛みや腫れを生じます。

脱臼は自然に整復される事もありますが、整復されない時は病院での整復が必要です。

膝蓋骨は膝の動きを滑らかにし、膝を曲げ伸ばしする時にこの膝蓋骨が中心となって支えます。又、膝蓋骨の脱臼は先天性によるものが多いといわれています。外傷やスポーツ障害の一つでも膝がガクッとする膝痛や膝に力が入らないなどの症状が出現し、日常動作でも支障をきたします。

思春期の女性(8~19歳位)は女性ホルモンの関係で軟部組織が弛緩する傾向がある為、この時期の発症が多い。

好発スポーツとして、

サッカー、バスケット、体操、ラグビーなどです。

脱臼時の症状としては、激痛、腫脹、血腫、歩行障害。日常的には関節前面の痛み、膝の内側の痛みがあります。脱臼する外側の痛みは少ないです。

繰り返しの脱臼や亜脱臼が続くと、合併症である膝蓋大腿関節の軟骨軟化症や変形性関節症に移行してしまいます。

ですから、放置せずに治療が大事になってきます。

膝蓋骨脱臼の初期の治療は、脱臼が起こった半数ほどの患者さんは、軟骨や骨の損傷を伴います。酷い場合は手術になることもあります。

手術の必要ない場合は、まず膝をサポーターなどで固定します。痛みや関節の腫れが収まってきたら、徐々に体重を掛けて歩き膝を動かします。

膝蓋骨の脱臼が起こった方の2~5割に再脱臼が起こります。又、再脱臼しなくても半数以上の方で痛みや膝の不安定感などの症状が残ります。

再脱臼を予防する為の治療として、リハビリや運動用の装具による治療を行います。リハビリは、膝蓋骨が外にずれるのを防ぐように

膝蓋骨の内側に筋力をつけたり、電気刺激による強化の方法、膝蓋骨を外側に引き寄せる筋肉や靭帯をストレッチ、マッサージして柔軟性を高める方法脱臼を誘発するような姿勢や動作を回避する様な運動パターンを練習する方法などを行います。

再脱臼が起こった場合、治療を繰り返しても、その後の再脱臼を回避することは困難になります。脱臼を繰り返して日常生活やスポーツに強い不快感、膝の不安定感が続く場合は手術が適応になってきます。

膝蓋骨脱臼の鍼灸、マッサージ治療

再脱臼を予防する為の治療や膝蓋骨を外側に引き寄せる筋肉や靭帯の柔軟性を高めたり、力が入れにくい、圧痛、転びやすいなどの症状改善の手助けに鍼灸、マッサージなどの治療は必要になると思います。

膝蓋骨の運動に影響を及ぼしている筋肉には様々なものがあります。

中でも

大腿四頭筋には4つの筋腹(大腿直筋、中間広筋、外側広筋、内側広筋)があり、それらは膝蓋骨を介して脛の骨についています。

膝蓋骨の下縁には、内側膝蓋支帯や外側膝蓋支帯がありますが、膝蓋支帯は、膝蓋骨と脛骨近位に付いているので、内側広筋、外側広筋において発生した力は、膝蓋支帯に伝達されて、膝蓋骨と脛骨の運動に繋がります。

又、大腿四頭筋が膝蓋骨に作用する力の向きは、やや外側に向いていることから、鍼灸、マッサージ治療においても大事なポイントになってきます。膝蓋骨周囲や下腿のツボを使う事は膝関節の違和感や痛みの緩和に効果的になります。

膝は、人体の中で最大の関節で多彩な運動機能と荷重支持機能を行っています。長い大腿骨と脛骨を連結しているので力学的にとても不安定です。ですから、その支持筋肉、靭帯を治療すること、筋力トレーニングが膝関節疾患において重要なことになってくるので是非、治療に行って下さい。