肩の石灰化とは？（石灰沈着性腱板炎）

患者さん：「先生、肩がズキズキして腕が上がらないんです。五十肩ですか？」

私：「うーん、五十肩かもしれないけど、実は“肩の石灰化”が原因のこともあるんですよ。」

石灰沈着性腱炎とは？

私：「肩の腱（特に棘上筋腱）にカルシウムがペーストみたいに溜まる病気を“石灰沈着性腱炎”って言います。40〜60歳の女性に多いんです。」

患者さん：「カルシウムって骨にいいんじゃないんですか？」

私：「そうそう、骨にはいい。でも腱にたまると“栄養”じゃなくて“邪魔者”。痛みや炎症を起こして、腕が上がらなくなるんです。」

五十肩との違いと関係性

私：「石灰沈着性腱炎の痛みが引き金になって、五十肩を悪化させることもあるんです。つまり“石灰”が“氷”を呼ぶ、みたいな関係ですね。」

患者さん：「なるほど、悪循環ですね…。」

発症の仕組み（簡単に）

• 石灰化前段階：腱の細胞が変化し、カルシウムがたまりやすくなる
• 石灰化段階：カルシウムが形成 → 停滞 → 吸収される過程で炎症と激痛
• 石灰化後段階：カルシウムが吸収され、腱が修復される

👉 つまり「静かな前触れ → 激痛の嵐 → 徐々に回復」という流れ。

治療の選択肢（保存から手術まで）

🧬石灰化って何？

肩まわりの腱（特に、棘上筋腱＝肩の一番上あたりの腱）に、カルシウムが“ペースト状”だったり“ドロッと”固まったりして溜まる病気です。PMC+2PMC+2

• 年齢は40〜60歳くらい、女性にやや多め。ウィル・コーネル医学+1

• 原因は完全にはわかっていませんが、腱の血流が弱かったり、変性（古くなって硬くなったり）したり、酸素が届きにくかったりという説があります。MDPI+1

• 症状は急に激痛が出ることもあれば、こわばってじわじわ動きにくくなることも。腕を後ろに回すのがつらい、夜寝づらい、肩まわりが固まる…。ウィル・コーネル医学+1

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🔄五十肩（癒着性関節包炎）との関係

五十肩、つまり肩関節を包んでいる関節包が「ギチギチに固まって動かない状態」です。

硬さ・痛み・可動域制限が三位一体。ウィキペディア+1

石灰化が起きていると、

• 腱まわりで炎症が起きて肩が動かしづらくなり → 関節包にも「もう動かないで」と言われたかのように固まる。SpringerOpen+1

• また、石灰の粒が腱から滑り出して関節包・滑液包まで刺激すると、五十肩へ“発展”することも。MDPI+1
  → つまり「石灰化腱炎が五十肩の引き金になることがある」ということです。

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✅保存治療・専門施術の“私たちの役割”

患者：「じゃあ、どうしたらいいんですか？手術しかないんですか？」

私：「いいえ、まずは保存的な治療から。けれど、“そのままにしておく＝五十肩へ進むリスクあり”なので、早めの対処がオススメです。」

💬私からのメッセージ（肩に悩むあなたへ）

「もう我慢できない…」その肩、放置していると“石灰化→関節包硬直（＝五十肩）”という流れに乗っちゃうかもしれません。

私たち施術者は、

• 鍼灸・マッサージで筋肉・腱周囲の張り・緊張をゆるめ、血流改善します。

• カイロプラクティック・整体で肩関節まわり・首・胸椎の動きを整え、「肩が動きやすく・痛みが出にくい」構造にします。
  石灰そのものを“ゼロにする”のは専門治療が必要ですが、**「動ける肩を取り戻す・五十肩化を防ぐ」**ことは私たちの得意分野です。
  「痛みを我慢して放っておく」→肩が固まる→治るまで時間がかかる、という流れを断ちましょう。

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📌よくある質問（FAQ）

Q1.「肩の石灰化＝必ず手術？」
A1. いいえ。多くのケースは保存療法で良くなります。ひとつのレビューでは「約90％が非手術治療で対応できる」と報告されています。PMC
但し、痛みが非常に強い、可動域が極端に制限されている、という場合は早めに専門治療を検討する価値あり。

Q2.「五十肩と石灰化、どう見分けたらいい？」
A2. 石灰化はカルシウムの沈着が腱内にあることで、比較的急に「ギュー・ジーン」と痛くなることがあります。ウィル・コーネル医学
五十肩（癒着性関節包炎）は原因不明で「ゆっくり固まる」ことが多く、痛み＋動かない（可動域制限）が特徴。ウィキペディア
ただし重なる場合も多いので、肩専門の診察を受けるのが安心です。

Q3.「鍼灸マッサージ・カイロで石灰そのものが消える？」
A3. 残念ながら「カルシウムそのものを溶かす」効果は限定的ですが、
筋肉・腱の硬さを減らし、血流を促し、肩が動くようにすることで、石灰化による痛みや五十肩化リスクを減らすことには非常に役立ちます。
つまり「石灰そのもの＝専門治療」「肩を動かす・固まらせない＝鍼灸マッサージ・カイロ」で二人三脚というイメージです。

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🎯まとめ＆実践ポイント

• 肩が「急に痛い／じわじわ固まってきた」なら、石灰化・五十肩どちらも疑ってOK。

• 「動かせる体を維持する」ことがカギ。安静も大切ですが、動かさなすぎて“固まる”のが一番危ない。

• 鍼灸・マッサージ・カイロは「肩が動く・痛みが出にくい」状態を作るのに強い味方。石灰そのものの処理は専門医との連携を。

• 痛みが続いたり肩の動きが明らかに落ちてきたら、早めに治療・検査を検討しましょう。早めの対処が回復も早く、五十肩化の予防にもつながります。

――肩を“動かない鎖”にしてしまう前に、“もっと自由な肩”を取り戻しませんか？
ご相談いただければ、あなたの肩に合った施術プランをご提案いたします。

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※参考文献

• „Calcifying tendinitis of the rotator cuff: A review“（PMC）PMC

• „Therapeutic options in rotator cuff calcific tendinopathy“（PMC）PMC

• „Clinical evaluation and management of calcific tendinopathy“De Gruyter Brill

• „Calcific Shoulder Tendinopathy: Influence of the…“（MDPI）MDPI