肩の痛みの85%に関与!『回旋腱板』鍼灸×カイロ併用療法の真実

肩の痛み

肩の痛みは非常に一般的であり、様々な原因によって引き起こされます。

肩関節は、上腕骨、肩甲骨、鎖骨の3つの骨で構成され、回旋腱板と呼ばれる筋肉と腱の集まりによって安定化され、広範囲な動きが可能となっています
しかし、この可動性の高さゆえに、怪我や損傷のリスクも伴います

1. はじめに

肩の痛みは、普段の生活やスポーツ、仕事の中でとても気になる症状です。

原因は外傷や骨折だけでなく、「使いすぎ」や「加齢による変化」、「姿勢の悪さ」など、見た目ではわかりにくい内部の問題が大きく関係しています。

今回は、肩の痛みの代表的な原因として、使いすぎや構造の問題、関節炎、五十肩、そして首や脊椎からの関連痛について詳しく見ていきます。

さらに、鍼灸マッサージとカイロプラクティックがどのように併用されると効果を発揮するのか、具体的な例を交えながら解説していきます。

2. 肩の痛みの原因

怪我や脱臼以外の肩の痛みの原因として、主に以下の3つが挙げられます。

2-1. 使いすぎや構造の問題による炎症・損傷

肩は、腕を動かす重要な部位です。

回旋腱板

特に、回旋腱板と呼ばれる肩の筋肉と腱は、上腕骨頭を肩甲骨という浅いソケットに固定しています。

これらの組織が、長時間同じ動作をしたり、重いものを持ち続けることで、次のような状態に陥ることがあります。

  • 回旋腱板腱炎
    腱に炎症が起こり、痛みや熱感が生じる。
    加齢や繰り返しの負担によって、腱は次第に摩耗しやすくなります。
  • 滑液包炎
    骨と軟部組織の間にある滑液包というクッション役の組織が、過度な使用により炎症を起こす。
    特に、回旋腱板と肩峰の間でよく見られます。
  • インピンジメント症候群
    腕を持ち上げた際に、肩峰が下にある回旋腱板の腱や滑液包を圧迫し、痛みや動作制限を引き起こします。
    この状態は、肩の痛みの原因の約半数を占めると言われています。

これらは、連日同じ動作を繰り返すオーバーヘッド作業や、長時間にわたる重い物の持ち上げ、さらには悪い姿勢などが大きな原因です。

2-2. 関節炎

肩の関節炎は、主に以下のような状態として現れます。

  • 変形性関節症
     長年の使用や過度の負担で、関節の軟骨がすり減り、骨同士が直接こすれる状態です。
    中年期以降に多く見られ、次第に痛みが増していきます。
  • 関節リウマチ
    免疫の異常により関節に炎症が起こり、痛みやこわばり、動作制限を引き起こす病気です。
  • 外傷後関節炎
    過去の怪我が元になり、関節に持続する炎症が発生する場合もあります。

これらの場合、痛みだけでなく、関節の動きが固くなり、日常生活に大きな支障が出る恐れがあります。

2-3. 五十肩(凍結肩/接着性肩関節包炎)

五十肩は、関節包と呼ばれる肩の周囲を包む膜が、失われた動きや手術後の長期間にわたる使用制限などが原因で、
異常な組織が蓄積し、肩の動き全体が大きく制限される状態です。

通常、痛みが非常に強い炎症期、動きが著しく失われる拘縮期、そして徐々に改善する回復期といった段階を経ます。

回復には数ヶ月から1年以上かかる場合もあります。

2-4. その他:関連痛と骨の変化

また、首や脊椎の問題から神経が圧迫されると、肩に痛みが放散する「関連痛」として現れることもあります。

さらに、肩の近くで骨の端に小さな突起(骨棘)ができることで痛みが生じる場合もあり、これらは他の原因と合わせて検討される必要があります。

3. 肩の痛みの原因と治療効果の比較表

以下は、肩の痛みに影響を与える主な原因をまとめた表です。各原因ごとに症状、影響する筋肉・組織、痛みの特徴、そして回復期間の目安を整理しました。

原因分類 主な症状・状態 影響を受ける筋肉・組織 痛みの特徴 回復の目安
使いすぎ・構造的問題 回旋腱板腱炎、滑液包炎、インピンジメント症候群 回旋腱板(棘上筋、棘下筋、小円筋、肩甲下筋)、上腕二頭筋長頭腱、滑液包 鈍い痛み。特に夜間や、腕を上げたときに痛みが増す 軽度であれば数日から、重症であれば数週間~数ヶ月
関節炎 変形性関節症、関節リウマチ、外傷後関節炎 関節軟骨、滑膜、関節包 持続的な痛みとこわばり。動作時に痛みが増加 状態により、慢性的なケースでは長期的な管理が必要
五十肩(凍結肩) 肩の動きの大幅な制限、関節包の炎症と拘縮 関節包、周囲の軟部組織 激しい痛みとともに可動域の極端な低下 数ヶ月から1年以上かかる場合が多い
関連痛 首や脊椎からの放散痛、神経圧迫 首・脊椎、肩甲周辺の筋肉 しびれ感や電流が走るような感覚。部分的な鋭い痛み 原因の治療次第。首や脊椎が主な場合、治療に合わせる必要がある

4. 鍼灸マッサージとカイロプラクティックの併用効果

肩の痛みには、内服薬や理学療法だけでは改善が難しい場合もあります。

ここで注目したいのが、鍼灸マッサージカイロプラクティックです。

これらの治療法は、それぞれ異なるアプローチで症状を改善し、併用することで相乗効果が期待できます。

4-1. 鍼灸マッサージの役割

鍼灸は、肩のに細い鍼を刺すことで、筋肉や血液の流れを改善し、炎症を和らげる効果があります。

たとえば、肩甲骨周辺のツボを刺激することで、以下のような効果が報告されています。

  • 血流促進:痛みの原因となる筋肉のこりをほぐし、酸素や栄養が行き渡るようにサポート。
  • 神経の調整:軽い刺激で神経がリラックスし、痛みの信号が弱まる。

施術の目安としては、週に1~2回の頻度で受けると、1~2か月ほどで効果を感じる方が多いです。

4-2. カイロプラクティックの役割

カイロプラクティックは、肩関節や背骨のズレを整える手技療法です。

プロの施術者が、肩や首の骨格を慎重に調整することで、以下の効果が期待されます。

  • 姿勢改善:歪んだ骨格や、関節のズレが正されることで、肩への負担が軽減される。
  • 可動域の拡大:適切な調整により、肩の動きがスムーズになり、痛みの出にくい状態に近づける。

具体的な流れとしては、状態に合わせて週1回から2回の頻度で行うと効果的です。

4-3. 両者の併用効果

鍼灸マッサージとカイロプラクティックは、互いに補完し合う治療法です。

例えば、重度のインピンジメント症候群による肩の痛みの場合、カイロプラクティックで骨格のズレを整えた後に、
鍼灸で炎症を抑えるといったアプローチが有効です。

また、回旋腱板腱炎では、治療直後に軽いストレッチとして

「ペンデュラムストレッチ」

振り子運動

足を肩幅程度に開き、肩の力を抜き、痛い方の腕を前に垂らしながら、身体を前後に揺らし、腕を振り子のように動かします。

これを行うと、施術効果を持続できると報告されています。

具体的には、5分間を1日2回、初回は痛みが出ない範囲でゆっくりと動かし、徐々に可動域を広げていく方法が推奨されます。

5. 日常生活での対策と注意点

肩の痛み改善には、治療だけでなく日常的なセルフケアも大切です。

5-1. ストレッチとエクササイズの取り入れ方

  • 肩回し運動

ゆっくりと肩を大きく回す運動です。
最初は左右それぞれ10回程度、痛みがなければセットを2回行います。
これにより、肩の血流が促進され、急激な負担を避けることができます。

  • 壁を使ったストレッチ

胸のストレッチ

壁に手を付け、体を反対側にひねることで、肩の前面や背面の筋肉を伸ばします。
10秒間キープし、左右それぞれ5回程度行う方法は無理のない負荷で効果が期待できます。

5-2. 姿勢の改善

普段から正しい姿勢を意識することで、肩への負担が大きく軽減されます。

スマートフォンやPC作業時は、背筋を伸ばし、肩をリラックスさせることを心がけましょう。

5-3. 生活の中での工夫

・重い荷物を持つときは、両肩で分けるようにする。

・デスクワーク時は、一定時間ごとに立ち上がり、軽いストレッチを取り入れる。

・無理な動作を控え、痛みが出た場合は早めに休憩や専門家の相談をする。

6. まとめ

肩の痛みは、単なる外傷だけでなく、使いすぎ、加齢、姿勢の悪さ、さらには関節炎や五十肩などの病態が複雑に絡み合って起こります。

原因に応じた対策が必要ですが、鍼灸マッサージやカイロプラクティックの併用は、肩の構造や神経の働きを直接改善するため、
痛みの緩和と機能の回復に大きな効果をもたらすことが明らかです。

たとえば、回旋腱板腱炎やインピンジメント症候群の場合、施術後に適切なストレッチや軽い運動を取り入れることで、
治療効果が持続し、日常生活の質が向上するという報告もあります。

肩の痛みが続くと生活に支障が出るため、早期に原因を把握し、適切な治療やセルフケアを行うことが大切です。

 

 

多田治療院
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