右腕のしびれの当院での治療の一例

60歳代の男性で以前にも同じ右腕のしびれで紹介により来院されました。

その時は、6年間しびれていたのが当院に5回通ったら無くなったそうです。(さっき聞きました)

その都度
「今日のしびれは10段階でいくつですか?」

とか聞いたりしているのですが、調子が良くなると来なくなるので、それが良くなったのか?悪くなったのか?わかりません?

まー良くなってくれていれば私としては良いのですが。

それから2年全くしびれが出ていなかったのですが今回、東京マラソンに出る為に運動を沢山していたら夜寝るときに右腕にしびれが出たとの事です。

では、当院でどのように治療したか?

しびれの場合、よっぽど筋力差が出て痩せてしまう程酷くない限りは手術はしない方が良いと思います。

勿論、腕のしびれは最悪の場合、脳疾患、リンパ系の癌などもあったりするのでその辺は病院できちんと検査していただいています。

過去に坐骨神経痛でも三叉神経痛でも手術して全快したという方はいませんでした。(そういう方しかこないので術後全体の回復率はわかりかねますが・・・)

今回来院された男性も1ヶ月整形外科で温熱療法、電気療法、牽引、投薬をされたそうですが回復が思わしくなく当院に又来院して下さいました。

では、どこを治療していったのか?

当院での治療として、一般的である首の治療をまずします。
手のしびれる場所によって反応している首の骨が異なってくるからです。

例えば、手の親指外側にしびれが出る場合は首の6番目の骨。小指側に出る場合は胸椎1番目の骨などがあります。

どの部分がしびれるかによって、その大元である頚椎なり胸椎なりを治療していきます。

しかし、本当に骨のズレでしびれてきているのか?

実は、骨のズレだけではないのです。

骨は2mmずれると麻痺を起こしてきます。ですから、骨の治療は動きをつける程度しか
しませんでした。

では、他に何を治療したか?

それは、頚椎胸椎の周りの筋肉の緊張の緩解を図る事です。

筋肉が引っ張られたり、収縮して緊張してきたりすると頚椎胸椎の骨が引っ張られて、その変位した位置により片側の椎

間孔(神経の通っている穴)が狭くなったり、筋肉の緊張により神経の伝達が滞る為にしびれが起こってきます。

ですから、今回の男性の場合は

頚板状筋
胸鎖乳突筋
斜角筋
僧帽筋

を治療していきました。

頚板状筋、胸鎖乳突筋、斜角筋、僧帽筋
これらの筋肉の動きが悪くなると、首や背中を硬くして結果しびれを誘発させる筋肉なんです。

 

 

 

 

 

 

(頚)板状筋
首の4~7番目と背中の1~5番目の骨から始まって乳様突起と首の1.2番目の骨にくっついています。

(今回は右腕の親指から肘にかけてのしびれでそこの支配神経が首の6番目の骨であることから治療しました)

 

 

 

 

 

 

胸鎖乳突筋
名前の通り、胸骨、鎖骨、乳様突起にくっついている筋肉です。この筋肉は側頚部最大の筋肉で筋力の強さも最大です。

(側頚部最大の筋力を持つ胸鎖乳突筋。この筋力バランスが悪いと片側で首の骨が引っ張られ、神経の出ている神経孔が圧迫される為に治療をしました。)

 

 

 

 

 

斜角筋
この筋肉は、首の前側にくっついている筋肉で、その筋肉の間から鎖骨下動脈、腕神経叢という

腕の神経と機能を支配している大事な神経と動脈が出ている部分です。

 

 

 

 

 

 

 

僧帽筋
首の1番上の骨から背中の7番目の骨、肩甲骨、鎖骨にまでくっついている筋肉で肩甲骨を引っ張ったりして

肩を上げたり回したりするのに必要な筋肉です。(これがうまく回らないと腕への神経の伝達や血流の流れが滞ってしまいます。)

骨だけでなく、最低これぐらいの筋肉のバランスを治療していかないと改善していきません。

これで首周りの筋肉の緊張ストレスは、ほぼ改善しています。

しかし、これだけではしびれは取れないのです。

治療としては、全体の3割程度の過程でしかありません。

では、次に何を治療するのか?

それは、首以外のストレスポイントの治療です。

特に腰が重要な治療ポイントになります。
今回の場合、腰の4番目にストレスが掛かっていました。腰の4番目の骨は、

重心が左右に動く時にバランスを取る骨になります。
この骨の片側にストレスが掛かっていたので、取り除かないと腰が曲がっている為、

首の骨や筋肉がバランスを取ろうと反対側に曲がって、又緊張を作りしびれを起こしてしまいます。

これを取る事によってより一層しびれる環境を無くしていっているわけです。

しかし、これでも治療の過程の中では6割程度になります。

では、残り4割の治療は何をするか?・・・・・

体力、反射の向上です。

結局は、支える力(体力)がないと再びしびれが出てきてしまいます。
これは、体の血流が悪くなると体内の酸素交換が上手くいかず疲れを残してしまいます。

反射に関しては、神経の流れが良くないと眠らないと寝不足になるのが解っているのに眠れないといったような

神経の緊張などを取り除く事により、神経の伝達が向上し休息を取るべき時がしっかりと体で認識する事が出来るようになります。

勿論、治る為に患者さんの努力(良い睡眠、良い食事、良い運動)があってこそ、

早い回復がみこまれるので当院では、そこの所は、良く伝えています。

今回の右腕のしびれの男性は、3回の治療でほぼしびれは気にならなくなったそうです。
ただ、しびれはかなり長い間に負荷がかかってなったのでその老化した部分を取り除くには

時間がかかるという旨は伝えておきました。(又疲労が蓄積されるとしびれが出る可能性があります)

 

 

多田治療院
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