プロが教える!舌と喉のトレーニングで声と嚥下を強化する方法
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発声と嚥下をスムーズにする!舌と喉のトレーニング完全ガイド
はじめに:声と嚥下の重要性
私たちは日常生活で「話す」ことと「食べる」ことを当たり前のように行っていますが、
これらの活動には、舌、喉、そしてそれらを取り巻く筋肉が複雑に連携しています。
これらの筋肉が弱まったり、緊張したりすると、発声に影響が出たり、嚥下が困難になることがあります。
今回は、これらの問題を改善し、健康的な毎日を送るための具体的なトレーニング方法をご紹介します。
なぜ舌と喉のトレーニングが必要なのか?
- 発音の改善: 舌のコントロールが改善され、子音の発音がより明瞭になります。
- 声の共鳴の強化: 舌の位置を最適にすることで、声の質と響きが向上します。
- 声帯の緊張の緩和: 舌の緊張を緩めると、声帯への負担が軽減されます。
- 嚥下機能の改善
嚥下(飲み込み)は、食べ物を安全に胃に送り込むための複雑なプロセスです。
舌と喉の筋肉が弱まると、食べ物が気管に入り込み、誤嚥を引き起こすリスクが高まります。
特に高齢者や特定の疾患を持つ方は注意が必要です。 - 健康維持
これらのトレーニングは、単に声や嚥下の問題を改善するだけでなく、全身の健康にも寄与します。
たとえば、鼻呼吸を促すエクササイズは、睡眠の質を向上させることが示唆されています。
舌のトレーニングを検討すべき人:
- ボーカルテクニックと音域の向上を目指す歌手
- 明瞭性と発言力を高めたい公衆演説家
- 舌の位置に関連する発話障害のある人
トレーニング前の準備
トレーニングを始める前に、以下の点を確認しましょう。
- 姿勢:リラックスした状態で、姿勢を正して座ります。
- 環境:テレビを消したり、静かな場所で集中できるようにします。
- 体調:体調が悪い時は無理せず、痛みを感じたらすぐに中止してください。
- 専門家への相談:嚥下に問題がある場合は、必ず医師や言語聴覚士(SLP)に相談し、適切なアドバイスを受けてください。
ウォーミングアップ:舌と喉の準備運動
トレーニングの効果を高めるためには、ウォーミングアップが不可欠です。以下のエクササイズで、筋肉をほぐしましょう。
- 舌のストレッチ:
- 舌をできるだけ前に突き出す。
- 舌を左右の口角に伸ばす。
- 舌をあごに向かって、次に上唇に向かって伸ばす。
- これらの動きを数回繰り返す。
- 舌の根元のストレッチ:
- 舌先を前歯の裏側に当て、舌全体を口の天井に向かって押し付ける。
- あくび:
- 口を大きく開けてあくびをするように、喉を広げる。
- ガムを噛む運動:
- 口を閉じたまま、ガムを噛むように顎を動かし、同時に「ンー」という音を出す。
具体的なトレーニング方法
ここでは、発声と嚥下機能の改善に役立つ、具体的なエクササイズをご紹介します。
1. 舌の筋力強化エクササイズ
- 舌押し:
- 舌をできるだけ前に突き出し、スプーンなどの平らなものを舌の上に置き、押し付ける。数秒間保持し、5回繰り返す。
- 次に、平らなものを舌の下に置き、舌で押し上げる。数秒間保持し、5回繰り返す。
- 舌を口角に伸ばし、スプーンなどで抵抗を加えながら数秒間保持する。左右両方で5回ずつ行う。
- 舌先を上の歯の裏に当て、舌をできるだけ奥に巻き込む。数秒間保持し、5回繰り返す。
- 舌滑り:
- 舌先を上の前歯に押し当て、ゆっくりと舌を後ろに滑らせる。5回繰り返す。
- 舌の力比べ:
- 舌全体を口の天井に押し付け、10秒間保持。5回繰り返す。
- 舌全体を口の底に押し付け、10秒間保持。5回繰り返す。
- 舌の挟み込み:
- 舌を上下の前歯で軽く挟み、5回飲み込む。5回繰り返す。
2. 喉の筋力強化エクササイズ
- 努力性嚥下:
- 飲み込む時に、喉の筋肉をできるだけ強く絞ることを意識する。
- メンデルソン法:
- 飲み込みの途中で、喉仏が一番高い位置に来たところで、1〜2秒間保持する。
- シェーカー法:
- 仰向けになり、肩を床につけたまま、頭を持ち上げてつま先を見る。1分間保持し、休憩。3回を1セットとし、1日3回行う。
- ガラガラうがい:
- 舌をできるだけ後ろに引いた状態で、うがいをする。
- あくび:
- 舌をできるだけ後ろに引いた状態で、あくびをする。
3. 発声のためのエクササイズ
- 子音を使った練習:
- G、L、K、D、T、Jなどの子音を使い、「ガ・ラ」「カ・ラ」「キ・リ」などの音節で発声練習を行う。
- 母音を交互に使う練習:
- 「エ・ア」「イ・オ」「イ・ア」などの母音を交互に使いながら発声練習を行う。
- 舌を動かしながらの発声:
- 舌先を下唇と下の歯の間に置き、舌を口の中で左右に動かしながら、母音を発声する。
- 舌を巻いて発声:
- 舌先を口蓋垂(のどちんこ)の方へ巻き込みながら、スケールを発声する。次に、舌を突き出しながらスケールを発声する。
4. 誤嚥防止に役立つエクササイズ
- 鼻呼吸の練習
口を閉じ、リラックスして鼻から息を吸い込む。片方の鼻の穴を指で押さえ、もう片方の鼻の穴からゆっくりと息を吐き出す。 - 気道コントロール:
口を大きく開け、肺の空気を吐き出すが、口から空気を漏らさないようにする。 - マサコ法:
舌先を歯の外に1cm(指の爪の長さ)出して、飲み込む練習。難しい場合は、舌を口の天井に押し付けて飲み込む。
5. 舌の緊張を和らげるエクササイズ
- 舌のストレッチ:
- 手を使ってタオルやティッシュで舌を持ち、ゆっくりとあごに向かって引っ張る。数秒間保持し、緩むまで繰り返す。
- 舌の動き:
- 舌をまっすぐ突き出し、左右に動かす。次に、舌をあごや上唇に向かって伸ばす。
- 舌を唇の上に出して発声:
- 舌を唇の上に出した状態で、音階などを発声する。
- 舌を吸う:
- 舌を上の歯の裏側に当てて、空気を吸い込む。
- La-Yaスケール:
- 「ラ・ア・ア・ア・ヤ・ア・ア・ア・ラ」の音節で、発声する。
練習のポイント
- 毎日継続する:1日に数回、定期的に練習することが重要です。
- 記録をつける:練習した内容、時間、感じたことなどを記録すると、進捗状況を把握しやすくなります。
- 無理をしない:痛みや不快感を感じたら、すぐに中止し、専門家への相談を検討してください。
信頼できる外部サイト
- URMC (University of Rochester Medical Center)
Swallowing Exercises: How to Do Tongue-Strengthening Exercises - MasterClass
4 Tongue-Stretching Exercises to Warm up Your Vocal Cords - Ziegenfuss Voice Studio LLC
5 Helpful Exercises to Reduce Tongue Tension When Singing - SingHealth
Myofunctional Therapy and Nasal Breathing Exercises - The Weekly Warm-Up
Tongue Release – 4 Exercises
まとめ:継続は力なり
舌と喉のトレーニングは、発声の向上だけでなく、嚥下機能の改善、ひいては誤嚥防止にもつながります。
これらのエクササイズを日々の習慣に取り入れ、健康で豊かな生活を送りましょう。
そして、それでも医学的に何も障害が無いのに喉の調子が向上しない場合は、鍼灸マッサージ、整体に
お越しになった下さい。
当院でも
を行っています。
このガイドが、あなたの健康をサポートする一助となれば幸いです。
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