あなたのほうれい線、自分で改善できます!

ほうれい線

1. はじめに

ほうれい線とは、鼻の付け根から口角にかけてできる線です。

この線は加齢・たるみが原因ですが、顔の筋肉、脂肪、靭帯、血行、リンパの流れの変化、さらには紫外線・乾燥、喫煙、姿勢なども関与します。

今回は、ほうれい線の原因を解剖学的、生理学的、臨床的に整理し、統合した治療管理法について詳しく解説します。

2. ほうれい線の原因を解剖学的・生理学的に見る

解剖学的側面

ほうれい線は、顔のたるみや筋肉の変化が大きな原因です。

上唇挙筋

  • 上唇挙筋
    上唇を上げるこの筋肉は、微笑み・表情に深く関与します。
    さらに、連携する上唇鼻翼挙筋(LLSAN)や頬骨筋小が、鼻唇溝を深くする働きを担います 。

顔の筋肉

  • その他の関係筋
    口輪筋も口角を上げ、ほうれい線の輪郭に寄与します。
    そして、全体として顔の筋肉が衰えると、皮膚や脂肪の支持力が低下し、線が目立ちやすくなります。

【表1】ほうれい線に関わる主な解剖学的要素

項目 主な役割 異常時の影響
上唇挙筋 上唇を上げ、笑顔を形成 筋肉の衰えで鼻唇溝が深まる
上唇鼻翼挙筋 鼻と上唇の連携作用で表情に使われる 継続的な引っ張りでほうれい線が目立つ
頬骨筋小・口角挙筋 口角や頬部を引き上げる 筋肉バランスの崩れでたるみが生じる

生理学的側面

生理学的には、肌のコラーゲン減少や脂肪の変化もほうれい線を招きます。

さらに、紫外線によるダメージ、乾燥、喫煙などの外部要因が加わると、皮膚自体の弾力が低下します。

この結果、顔の支持構造が弱まり、線がよりくっきりと現れます 。

また、血行やリンパの流れの低下が、栄養供給不足を招くことも原因です。

3. ほうれい線予防と改善のためのエクササイズ

ほうれい線を改善または予防するためには、顔の筋肉トレーニングとセルフケアが有効です。

以下に具体的なエクササイズ例と注意点を示します。

 顔の筋肉トレーニング

  • 上唇挙筋エクササイズ

口を軽く開ける 鼻の穴を広げ、上唇リラックス。ゆっくりと上唇を引き上げ、10秒キープします 。

上唇挙筋エクササイズ

上唇すぼめエクササイズ 上唇を鼻に近づけるようにすぼめ、10秒保持を10回繰り返します。

笑顔エクササイズ

嘲笑・微笑エクササイズ 鏡の前で微笑み、指を鼻の脇に当てながら内側・下方へ押し付ける。1日に2回、5~10回実施 。

エクササイズ

デプレッサーセプティ筋エクササイズ 指を鼻の下に置き、もう一方の指で唇中央を軽く上げ、唇を下向きに動かします 。

  • 口輪筋エクササイズ 口輪筋を使い、口角を引き寄せる抵抗運動を25回行います 。
    また、頬骨筋も意識しながら、左右交互に緊張とリラックスを繰り返しましょう 。

【表2】ほうれい線改善のエクササイズと注意点

エクササイズ 内容 注意点
上唇挙筋エクササイズ 上唇を引き上げ、鼻に近づける動作を行い10秒保持を繰り返す 過度な負荷はほうれい線悪化に注意
嘲笑/微笑エクササイズ 指を鼻の脇に当てながら、嘲笑や微笑みをしながら行う 肌を無理に引っ張らない
口輪筋エクササイズ 口角を左右に引っ張りながら、中央に寄せる抵抗運動 無理なく25回程度で実施

マッサージとセルフケア

  • セルフマッサージ 口の周りを小さな円を描くように優しくマッサージし、溜まった緊張をほぐします。
  • リンパケア 肩甲骨周りや首の筋肉もほぐし、顔全体の血行・リンパの流れを改善します 。

生活習慣の改善

  • 紫外線対策 日焼け止めや日傘を使い、肌を保護します。
  • 禁煙・バランスの良い食事 ビタミンA, C, E、およびオメガ3脂肪酸を含む食事を心がけ、栄養素を補給します。
  • 姿勢改善 悪い姿勢は口周りの筋肉バランスを崩すため、正しい姿勢を維持します。
  • 意図的に微笑む習慣 口角を上げるために、日常的に笑顔を意識して作ることも大切です 。

4. 鍼灸、マッサージ、カイロプラクティック

統合療法は、ほうれい線改善のためのアプローチとして注目されています。

鍼灸の役割

  • 自律神経調整とメラトニン促進 鍼灸は、HT7(神門)、PC6(内関)、SP6(三陰交)などの主要経穴を刺激し、血流を促進します。
  • 筋緊張の緩和 微細な刺激が表情筋のバランスを整え、ほうれい線の深さを抑制します。

マッサージの役割

  • 血行・リンパ流促進 マッサージは、直接的に血液やリンパの流れを改善し、老廃物や余分な水分を排出させます。
  • 筋肉緊張の緩和 筋肉のこわばりをほぐすことで、たるみ改善をサポートします。

 

カイロプラクティックの役割

  • 骨格・関節の調整 カイロプラクティックは、顔や首、骨盤のバランスを調整し、神経伝達の最適化で血行改善にもつなげます。
  • ストレス軽減効果 身体の歪みを矯正することで、自律神経が正しく働き、余計なストレスが軽減されます。

【表3】統合療法の効果比較(ほうれい線改善に対する)

項目 カイロプラクティック 鍼灸 マッサージ
骨格/姿勢の調整 ◎ 骨盤や顔面の調整で直接改善 △ 間接的にリラックス効果 △ 補助的なマッサージで促進
自律神経バランスの調整 ◯ 姿勢改善でストレス軽減 ◎ 経穴刺激で神経伝達物質を補正 ◎ リラックス効果による副交感神経促進
血流/リンパ流の促進 ◯ 関節調整で循環改善 ◎ 血管拡張効果で血行促進 ◎ マニュアルリンパドレナージで直接促進
表情筋の緊張緩和 △ 間接的影響 ◎ 筋緊張の緩和による効果 ◎ マッサージで局所の緊張を解消

5. まとめと今後の展望

ほうれい線は、顔のたるみと筋肉の衰えによって生じます。 さらに、紫外線や生活習慣の影響で皮膚の弾力が失われ、線が目立つのです

統合療法としては、以下のアプローチが有効です。

  • カイロプラクティック:骨盤や顔面の歪みを矯正し、神経と血行のバランスを改善
  • 鍼灸:主要経穴(HT7、PC6、SP6など)の刺激で自律神経と筋の緊張を調整
  • マッサージ:リンパドレナージュなどを通じて血行促進と筋のリラックスを実現

また、これらに加え、顔の筋トレや生活習慣の改善(紫外線対策、禁煙、食事改善、姿勢の見直し)が、ほうれい線の改善を総合的にサポートします。

最終的には、患者さん自身が継続的なケアを行うことが重要です。

【表4】統合療法と生活習慣改善の効果まとめ

施術・対策 主な効果 具体的なアプローチ例
カイロプラクティック 骨格・姿勢の正しい調整により、神経と血流の最適化を促進 骨盤矯正、首・背中の調整
鍼灸 経穴刺激による自律神経バランスの整備、筋緊張の緩和とメラトニン促進 HT7、PC6、SP6 などのツボ刺激
マッサージ(リンパドレナージュ) 血流・リンパの流れ促進、筋肉のリラックス 顔周りのマッサージ、首や肩の揉みほぐし
生活習慣改善 紫外線対策、食事、禁煙、適切な水分補給、姿勢の改善 日焼け止め使用、バランス食、定常された睡眠習慣

6. 最後に

ほうれい線は、単なる加齢現象だけでなく、解剖学的・生理学的変化や生活習慣の影響によって形成されます。

しかしながら、日々の筋肉エクササイズや生活習慣改善のアプローチにより改善可能です。

 

多田治療院
住所:東京都中央区新富1-6-1 1F
予約電話:03-3553-8585
営業時間:(月-金)9:00-20:00(木)午後休診・(土)17:00まで
日曜日・祝日はお休みです。

治療費用

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