寝酒の適量はどのくらい?
当院に来院している何人の方が、「寝付きを良くする為に寝酒をするんです。」
とおっしゃっています。
実際、アルコールには催眠作用があり、お酒を飲む事で寝付きが良くなる事は事実なんです。
しかし、問題はその後で、アルコールの作用で眠りに付いたのは良いのですが、体内に入ったアルコールは時間が経つとやがて分解されます。
この時分解された物質の中に、神経を興奮させる作用がふくまれているんです。
寝酒をして、せっかく眠くなり入眠したのに、アルコールが分解された真夜中に目が覚めてしまう事があります。
アルコールは、その人が持っている分解酵素の量によって違いはありますが、
生中2杯で分解するのに4~5時間後になるので、夜の10時位に飲むと深夜2~3時位に目が覚めやすくなってしまうのです。
ですから、寝酒は、平日はほんの少量(食前酒程度)で収めておく事が、次の日に疲労や睡眠不足を残さずに済むと思います。
では、どの程度が適量なのか?
1時間で分解できるアルコールの量として体重1kgあたりアルコール0.1gが分解できるので体重(kg)×0.1=1時間で分解できるアルコール量(g)
例えば体重70kgの人だと
70×0.1=7.0g
1時間に7gのアルコールを消化できると考えてください。
日本酒の1合,ウイスキーのダブル1杯,ビール中ビン1本,ワインのグラス2杯はおよそ20gのアルコールを含むので,これを消化するのに3時間弱かかるのです。
という事は、倍の日本酒の2合,ウイスキーのダブル2杯,ビール中ビン2本,ワインのグラス4杯にすれば、約40gのアルコールになるので,消化するのに7時間弱。
丁度、その時間にアルコールを分解した後の覚醒物質が産生されるとなるとスッキリ起きられるわけです。
しかし、アルコールは肝臓や腎臓を害したり、食欲を増進して動脈硬化を促進したりするのでほどほどにしていただきたいと思います。
人は、それぞれアルコール分解酵素の保有量によって飲める飲めないの違いは出てきますが、1つの目安として使ってみてください。
夜9時に摂取したとして
体重50kgの人
食前酒として
ビール 350ml 1本
ワイン ちっさいグラス 1杯
酎ハイ 350ml 1本
日本酒 半合体重90kgの人
食前酒として
ビール 350ml 2本
ワイン ちっさいグラス 2杯
酎ハイ 350ml 2本
日本酒 1合
これを基準に間の体重の人は考慮してみてください。
この量でも、週に2回は休肝日を作らないとγGTPは上がる確率は高くなると思いますので肝臓を壊して飲めなくなるような事の無いように気をつけてください。