日本頭痛学会勧める頭のマッサージ効果と実践方法
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頭痛は、世界人口の約15%が罹患する、非常に一般的な症状です。
原因は、大きく分けて「緊張型頭痛」「片頭痛」「群発頭痛」の3つに分けられます。
緊張型頭痛は、
頭全体や首、肩の筋肉の緊張によって起こる頭痛です。ストレスや疲労、不良姿勢などが原因で発症します。
片頭痛は、
片側の頭に激しい痛みが起こる頭痛です。光や音、匂いなどのトリガーによって発症することがあります。
群発頭痛は、
片側の目の周りや顔面に激しい痛みが起こる頭痛です。
通常、短時間で強烈な痛みが起こり、数週間から数ヶ月にわたって発作が繰り返されます。
頭痛をいつも薬で解消させている場合があると思います。
頭痛薬の鎮痛効果は、頭痛の原因によって異なります。
- 緊張型頭痛や偏頭痛など、血管拡張が原因の頭痛に対しては、血管収縮作用のある薬が効果的です。
- 片頭痛など、神経伝達物質の異常が原因の頭痛に対しては、神経伝達物質の働きを抑える薬が効果的です。
頭痛薬を飲むことで、日常生活に支障をきたす頭痛を改善することができます。
例えば、片頭痛で日常生活に支障をきたしている人は、頭痛薬を飲むことで、片頭痛の症状を軽減し、日常生活を送りやすくなります。
また、片頭痛の予防に、トリプタン系薬、バルプロ酸系薬、カルシウム拮抗薬など頭痛薬が効果的です。
頭痛薬のデメリット
- 副作用がある
- 頭痛薬の使いすぎによる頭痛(薬物乱用頭痛)を引き起こす可能性がある
具体的な副作用
- 非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs):胃腸障害、腎障害、出血傾向の増加など
- トリプタン系薬:倦怠感、頭重感、吐き気、めまいなど
- バルプロ酸系薬:眠気、倦怠感、ふらつき、体重増加など
頭痛薬の使いすぎによる頭痛
頭痛薬を1か月に10日以上、3か月以上継続して使用すると、頭痛薬の使いすぎによる頭痛(薬物乱用頭痛)を
引き起こす可能性があります。
薬物乱用頭痛は、頭痛薬を飲まないと頭痛が起こる、頭痛薬を飲んでも痛みが治まらない、といった症状が特徴です。
頭痛薬の使用上の注意点
頭痛薬を安全に使用するために、以下の点に注意しましょう。
- 用法用量を守る
- 副作用の注意事項をよく読む
- 原則として、1か月に10日以上使用しない
- 頭痛の原因がわからない場合は、医師に相談する
頭のマッサージは、緊張型頭痛と群発頭痛の緩和に効果的であるとされています。
緊張型頭痛に対する頭のマッサージ
緊張型頭痛は、頭や首、肩の筋肉の緊張によって起こります。
その筋肉の緊張をほぐし、血行を促進することで、頭痛を緩和します。
以下の筋肉を重点的にマッサージします。
- 側頭筋:頭の側面にある筋肉
- 後頭筋:頭の後ろにある筋肉
- 僧帽筋:肩にある筋肉
群発頭痛に対する頭のマッサージ
群発頭痛は、頭や顔面の血管の拡張によって起こると考えられています。
血管の収縮を促すことで、頭痛を緩和すると考えられています。
頭のマッサージでは、以下の部位を重点的にマッサージします。
- 頭頂部:頭のてっぺんにある部位
- こめかみ:目の横にある部位
- 鼻の付け根:鼻と額の境目にある部位
注意点
頭のマッサージは、頭痛の緩和に効果的ですが、以下の点に注意が必要です。
- 頭皮に傷や炎症がある場合は、マッサージを控える。
- 頭痛が重い場合は、無理にマッサージをせず、医療機関を受診する。
頭痛でいつも薬を飲んで解消させている人は、
体を休ませるためにも多田治療院にお越しになって下さい。
頭のマッサージの効果に関する研究は、いくつか報告されています。
2018年に発表された研究では、緊張型頭痛患者を対象に、頭のマッサージと薬物療法の効果を比較した結果、
頭のマッサージは、薬物療法と同等の効果があることが示されました。
2021年に発表された研究では、片頭痛患者を対象に、頭のマッサージと薬物療法の効果を比較した結果、
頭のマッサージは、薬物療法よりも頭痛の再発率を低下させる効果があることが示されました。
参考文献
- 頭痛診療ガイドライン2022
- 日本頭痛学会 頭痛の治療ガイドライン 2020
- 日本リラクゼーション業協会 マッサージ療法の評価基準